社内制作のディレクターに必要なこと

デザイン制作におけるディレクターにはデザイナーをまとめる「調整力」が必要。そしてそのためにはデザイン制作の専門知識が必要ですが、中小企業のインハウス制作においてデザイナー経験があるディレクターに、実はお会いする機会がありませんでした。

営業職や事務など…専門知識のない異業種のディレクターはどのように対処すればよいでしょうか。

ディレクターに必要なこと

目次

受発注の関係について

デザインを発注する担当を別に設けたとしても最終の決定権を持つのは、ほとんどの場合その企業の社長です。『クライアント(依頼者)= 社長 』『デザイナー=受注者』です。
そしてデザイナーの上に立つ上司は制作のディレクターと呼ばれるポジションに当たりますから、チーム分けをするとしたら受注チームになります。
依頼者は提示されたデザインがコンセプトに合っているかを精査するセンスが必要ですが、必ずしもデザイン制作の知識はなくてもかまいません。
ディレクターは受注者側ですから、デザインを受注するスキルやデザイン制作の知識が必要になります。

インハウス制作のディレクターに必要なこと

《デザイナーのスキルや経歴・違いを把握すること》
面接時に作品を見せてお話もしますが、面接官と現場が切り離され、デザイナーのスキルや経歴が共有されていないことがままありました。複数のデザイナーがいる場合、メンバー間でキャリアやスキルの棚卸しをしてみてはどうでしょう。仕事内容と割当ては正しいか見直す機会になります。

《積極的にデザイナーの知識を吸収すること》
生産性や効率を考えた作業環境を整えるにもスケジュールを立てるにも経験と知識が必要。「どうすればいいと思う?」と意見を求めることができることが大事です。デザイナーの話を聴く姿勢とコミュニケーションスキルを持ちましょう。

《制作コストを知る》
ある程度大まかな制作コストは知っておいた方がいいのですが、手をつけていない職場が結構ありました。制作時間×時間単価(時給)で簡単に算出できます。デザインを一部外注しようかと検討するときの適正な費用の目安にもなります。ただしコストを縮小する目的だけで、根拠のない制作時間の設定をしてはいけませんが。

《とりあえずデザインに興味を持つこと》
デザインがわからなくても興味を持ってください。デザインの見方としては、最初は好き嫌いでかまいません。デザイナーの観点ではなく、カスタマーの立場で見ればいいのです。
そして「イラレを使うこと=デザインをすること」という認識からも脱却しましょう。

《受注するスキルが必要》
決済者(=社長)の要望やコンセプトを伝えるというか、ヒアリングして引き出さなければいけないのですが、これもデザイナーの実務経験が必要になってきます。ノンデザイナーが間に立って依頼を伝言されると、先が見えないまま手探りで作業をしているような感覚がありました。決済者とデザイナーが直接話をした方が良い結果になるはずです。

まとめ

冒頭でも述べたように知識や経験がないまま人の上に立つのは難しいことです。また短期間で専門知識を身につけることもできません。
キャリアのあるデザイナーを採用できているかどうかにもよりますが、オペレーションのスキルだけでなくデザイナーとして積み重ねてきた知識と経験にもコストを払っています。近くでプロの仕事を見ながら知識を積み重ねて、少しずつ理解していきましょう。

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